小衣のため息

IQ1300の天才少女、明智小衣のボヤき

【美少女革命ITエンジニア小衣ちゃん】

小衣ちゃん、敗北主義の管理職達を工程会議で吊るしあげる。

小衣「エンジニアリングは関係部署との調整も含めて全て私がやります。本事案の問題は主契約者が甘やかした結果、下請けが調子に乗ったのが原因なんですよ。王侯貴族が平民や奴隷を甘やかすから反乱が起きるんです。ここは徹底的に締め上げるべきです。外患誘致と大逆は古今東西、極刑と決まっております!」

大濠課長「(ギクッ)」

小衣「上流工程だけじゃなく全工程を私が仕切るから小衣以外の協力会社の要員は全部斬れ!」

安武部長「(ウッ)」

小衣「私は客観的事実に基づき、あらゆるケースを網羅した上で、自分の仮設を主導した結果について発言しております。異論反論があるならお聞きします。貴方達は国内最大手のシステム開発会社の役席者なんですから、もっとしゃっきりしたらどうなんですか?」

高宮本部長「(にゃーん)」

小衣「既存のスキームだけでやってる場合じゃないでしょう?予算なんていくらでも回せるじゃないですか?」

独立系A「貴様の目的は何だ?! 答えろ!」

小衣「目的?それは愚問ですね。極論するなら私に目的など存在しないんですよ。」

独立系B「ふざけるな!目的もなく我々を粛清だと!? 冗談も」

小衣「黙れ。主契約者の本社プロパー役席者と話すのは本当に久しぶりなんです。邪魔をしないでください。この雑種ども。」

独立系C「ッ!?」

小衣「私が学生時代の専攻は政治学でしてね。中でもマキャベリに傾倒したんですよ。"目的の為ならば手段は選ぶな"が君主論の要諦なんですがそんなことはどうでもいいことです。いいですか、貴方達も経営者の端くれなら知っておくべきですよ。世の中には手段の為ならば目的を選ばないというどうしようもない人間も存在するのです。つまりは私のような。(パチン) 全員懲戒解雇にしましょう。依願退職させた結果、フリーランスで案件に再び入場されても困るんでね。」

独立系D「なんだ、その口の聞き方は!」

小衣「おやおや。あまり興奮すると血圧が上がりますよ(笑)。お住いは有名高級住宅地の新築庭付き一戸建、奥様は派遣先顧客の本社総合職OG、ご子息は国立大学から中央省庁の準キャリア、ご令嬢は有名私立中高一貫校から大学までエスカレーター。東証一部上場のIT企業の幹部とはいえ、高卒入社の管理職にしては随分恵まれた生活ですなァ。実に羨ましい限りです。」

独立系D「き、貴様何を言いたい…」

小衣「まぁ私は案件退場に加えて懲戒解雇でも刑事訴追のどちらでも、いやその両方でも一向にかまわないのですが、私が出るとこ出たら困るのは貴方達じゃないんですか?この調子だと、来期の人事で本社に執行役員で戻れるそうじゃないですか?せっかく苦労してここまで来たんでしょ?歳に似合わず青臭いことばかり言ってないで、もう少し大人になりましょうよネッ(ニッコリ)」

"へんじがない ただのしかばねのようだ"

翌週、なぜか小衣だけが専任の部長席による常時監視付きで主契約者の自社ビルの専用事務室に隔離されました…